今日はなんのお話にしましょうか・・・
私は弟が生まれた頃からお祖母ちゃんと一緒に寝ていた。私は知らないが生まれてからウロウロ動き回れるまではわたしが生まれる少し前脳梗塞で倒れたお祖父ちゃんが子守りをしてくれたらしい。そのお祖父ちゃんがなくなる小学校二年生迄おはあちゃんと一つの布団に寝ていた。お祖父ちゃんが亡くなり部屋が広くなり別々の布団に寝るようになった。
お祖母ちゃんは夜になると私が寝るまで本を読み聞かせてくれた。買って貰った本だったり お祖母ちゃんはの自作のお話だったり・・・小学校も中学年になった頃、お祖母ちゃんは私に図書館で本を借りてくるよう頼んだ。そして毎夜読み聞かせてくれた。私が寝入った後も本を読んでいたようだ。それは私が中学生になり お祖母ちゃんがなくなるまで続いた。 お祖母ちゃんの事はあまりよくしらない。どんな人生を歩んで来たのか 何が好きで どんな夢を持っていたのか 若い頃のことも知らない。どんな青春を歩んで来たんだろう・・・今、生きていたら聞いてみたいことがいっぱいある。 私を大切に大切に面倒見てくれた事だけは 親の様に愛情を注いでくれたのだけはわかる。
お祖母ちゃんに毎夜 本を読むのをせがむと鼻の辺りまでずり落ちた老眼鏡をかけ直して 「あんた 本 読んでやってもすぐ寝てしまうから・・・」と言いながら読み始める。暫くしてもう寝たのかと黙読を始めると私はお祖母ちゃんの寝巻きの袖を引っ張った。又お祖母ちゃんは声を出して読み始める。そしてお祖母ちゃんの体温を感じながら私は眠りに落ちた。
そういえば 一度も 「ありがとう」は言えていない。
「お祖母ちゃんがね まだ娘の頃やった。実家の家の前には野菜や汚れ物を洗える位の川が流れててな。 お昼に畑から家に帰ってきて川で足をあろてたらな。足をのせてた大きな岩がグラッと動いたんや。東の方で大きな地震があったんやて 後からきいてこわかった」 お祖母ちゃんが語った関東大震災の記憶