HANA-MOMO’s diary

日々の思いを思いのままに・・・ ぼちぼち書いていきますのでよろしくお付き合いくださいませ。

夏の思い出・・・

昔懐かしの冷やし雨

梅雨に戻ったような鬱陶しい毎日 厚い雲の間から時々日が射すと益々暑さがましてくる。じめじめむしむし 時折ザーッと凄い音をたてて雨が降る

昔を懐かしんで 冷やし飴をつくってみた。道の駅で見つけた麦芽糖水飴に生姜のすりおろした物をいれお湯で溶いて少し煮詰めた。氷を入れたグラスに飴を入れミネラルウォーターで割った おばあちゃんに習った作り方だ。 関西では、夏の定番の飲み物。ふと幼い頃を思い出した。

幼い頃 今のように極端な天候ではなかった。四季がはっきりしていて 夏は暑かったが熱帯夜と呼ばれる夜はそんなに多くはなかった。秋は長く実りをもたらす初秋から木々が色づきはらはらと散りゆっくりと冬を運んできた。冬は霜柱 凍りつく田畑や川 何日も降り続く雪 屋根から下がるつらら 春は冬の間を少しずつ分け入るように確実にやってきた。雪が残る沈丁花の枝から春の香りが沸き立つ 寒さと暖かさを繰り返しながら色々なものが芽吹き生命が動きだしウキウキしてくるそしてサクラが一斉に咲き乱れ妖艶な季節が訪れ去っていくそしてむせかえる若葉の勢い 緑は色濃く又夏に向かってめぐっていく。「」

夏の暑い日の始まりは 朝6時から始まるラジオ体操 葉書位のカードに紐を付けてもらい斜めかけにし毎日近くの公園に通った。ラジオ体操の後 判子を押してもらうと近所の年近いお姉ちゃん達とひとしきり遊び7時過ぎには家に帰った。勝手口の前でおばあちゃんは良く 干瓢を剥いていた。竿に藁を巻き付け干瓢を干した。レースのカーテン 暖簾 の様にヒラヒラと朝の光に輝いていた。茄子やきゅうりの糠漬けでお茶漬けの朝御飯。「すずしいうちに勉強しぃやー」おばあちゃんの声をよそに 開け放たれた縁側に寝そべって漫画本を良く読んだ。葭簾の間から夏の陽光が射し込んだ。

お昼は 豆腐や素麺 ひやむぎと白い物が夏野菜と一緒に食卓にのぼった。ご飯を食べ終わると「暑いから お昼寝しいゃー」繕い物をするおばあちゃんのよこでゴロゴロしているうちにうとうと しばらくすると色々な音に起こされた。しゃりしゃり氷をかき氷機で削る音 カッカッカッと氷を割る音 パリ!スイカを切る音 あまり裕福でもない我が家では かき氷は砂糖がかかっただけの物だったが私はすきだった。氷を割る音がする時は冷やし飴が出た。幼い私は友達の家で飲んだカルピスの味が忘れられず 冷やし飴を横目に冷蔵庫に顔を突っ込んだ。「まくわうり か トマト食べとき」おばあちゃんは私のほったらかした 冷やし飴を飲んだ。

冷やし飴を美味しいと思い飲んだのは大人になってからだった。夏の暑い日 京都観光の途中立ち寄った甘味処。 今はカルピスより好きかもしれない。

久しぶりの冷やし飴は遠い昔に私を連れていってくれた。

色々な事が決して良い方向とは思えない方へ片寄っていっているのかも知れない。

おばあちゃんの冷やし飴だけが昔のままだった。